同じ文字を書いていると、「あれ?これってこんな文字だっけ?」となった経験はありませんか?
実はこの現象に名前がついていて「ゲシュタルト崩壊」というのです。
ふとSNSを見ていると、雑学で「ゲシュタルト崩壊」のことが載っていて非常に共感しました。今回はたまに耳にする言葉「ゲシュタルト崩壊」について紹介します。
ゲシュタルト崩壊とは?
子供のころ、漢字を覚えるために漢字練習帳に何度も書いたとき、途中で訳が分からなくなったり別の字に見えてしまったという経験をした人も多いのではないでしょうか。
これは「ゲシュタルト崩壊」が起こっている代表的な例です。視覚に加えて、味覚や触覚にも生じると言われています。
ファウスト(Faust、 1947)は、図形などをちらっと見たときにはそれが何であるか知覚できるのに、そのまま注視し続けると、すぐにそのパターンの全体的印象が消失し、わからなくなってしまうという失認症の症例を報告し、このような現象を”Gestaltzerfall”(ゲシュタルト崩壊)という用語を使って記述しました。この失認症の症例ほど極端なかたちではないものの、健常な人間においても持続的に注視すると同じように全体形態の認知が減衰してしまう可能性があるのです。この一例が漢字の「ゲシュタルト崩壊現象」なのです。
公益社団法人 日本心理学会 心理学ワールド第46号[心理学ふしぎふしぎ]漢字のゲシュタルト崩壊現象とは何でしょうか?
下の漢字をずっと見続けてください。
護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護護
変な感じがしませんか?ゲシュタルト崩壊の起こりやすさには、個人差があるようです。
はじめは全体としてひとつの漢字として認識できているのが、じっと眺めているうちに視覚的疲労が起こり、認知能力が低下することによって全体のバランスがわからなくなり、バラバラになってしまう現象をゲシュタルト崩壊と呼び、心理学的用語であり、心理現象のひとつです。
最後に
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参考文献
公益社団法人 日本心理学会 心理学ワールド第46号[心理学ふしぎふしぎ]漢字のゲシュタルト崩壊現象とは何でしょうか?
https://psych.or.jp/interest/ff-34/
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この記事を執筆・編集したのはこころのサイエンス編集部
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